紫根染の歴史
紫根染はムラサキ、茜染はアカネという植物の根からとった染料で染めあげたもので、日本に古くから伝わる草木染です。南部地方に伝わったのは鎌倉時代以前と いわれ、南部藩政時代には、藩の手厚い保護の下に生産されていましたが、明治の時代になりその保護が解かれてからは、盛岡地方には、伝統技法を伝える人が完 全に途絶えてしまいました。しかし、大正5年に、紫根染を復興させるため県の主唱により紫根染の研究が始まり、秋田県の花輪地方にかろうじて残っていた技術 者を招いてその技術を学び、更に独自の技法を開発、その後大正7年「南部紫根染研究所」が設けられ、草紫堂初代藤田謙が主任技師として赴任いたしました。 昭和8年、南部紫根染所究所の主任技師であった先代藤田謙が独立し、現在の地に「草紫堂」を創業、いままでの素朴な図柄(大桝、小桝、立桶)に加え、数多く の新しいデザインを生み出し、現在の絞り染の基礎を築き上げました。
伝統を受け継ぎ、新しく挑戦していく
絞り染には、職人仕事を越えた魅力があります。いわばオーケストラの指揮者ですね。新しいものが出てくると古いものは時代遅れになるのが世のならいです。
しかし紫根染は、新しい柄が出ると、古い柄のよさが輝いてきます。そんな不思議な魅力を感じながらこの仕事に携わってきましたが、絞り染は、一反染め
上げるのにも多くの人手が必要であり、職人の技を越えたセンスも要求されます。オーケストラを指揮するように全体を見渡す目が大切なんですよね。
私どもの店では、『士魂商才』『温故知新』という言葉を日頃モットーとしておりますが、『士魂』とは侍の魂のシコンと、紫根染のシコンとを掛け合わ せたもので、どちらも生前父が口癖のように話しておりました。又、温故知新というのは、単に古いものに帰るという事ではなく、古いものの探求の中から、 更に新しいものに勇気を持って挑戦して行く、そういう事だと思います。先人の血と汗の結晶として受け継いできた伝統文化を次代の人々に正確に伝え、また 新たなる伝統文化を創造していく努力こそ、一層大事ではないかと思います。
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